ちんぐ黒麹──常温で、花開く麦焼酎に出会いました。

酒処まるさん

閉店後の、静かな店内。

涼やかな夜風が、窓をそっと揺らします。

明日の「本日のお酒」を何にしようかと棚を眺めていると、ふと目に留まった一本がありました。

壱岐焼酎「ちんぐ黒麹」。

かつて読んでいた『美味しんぼ』95巻、「焼酎革命」に登場した「ちんぐ」の兄弟分にあたるお酒です。

そう思うと、なんだか少し嬉しくなりました。

昔読んでいた漫画に登場したお酒を、今こうして自分が手にしている。

せっかくなら、作中で山岡さんが紹介していた飲み方も試してみたい。

明日は、この一本を「本日のお酒」にしよう。

そんなことを考えながら、閉店後の店内で、ひとり「ちんぐ黒麹」を開けてみることにしました。

📖 本日の案内帖

今夜のお酒は、壱岐焼酎「ちんぐ黒麹」。

昔読んでいた漫画に登場したお酒に、今になって出会った、そんな夜のお話です。

☕ この案内帖でわかること

・ちんぐ黒麹とはどんなお酒? ― 壱岐焼酎の伝統と黒麹の個性
・『美味しんぼ』に登場した「ちんぐ」との思いがけない出会い
・ロックと常温の水割り、飲み比べてみた感想

どうぞ、ゆっくりお付き合いください。

出会いのきっかけ

ちんぐ黒麹を知るきっかけになったのは、焼酎好きなお客さんとの、何気ない会話でした。

以前、麦焼酎の兼八をきっかけに、その美味しさに気づいたという話をしたことがあります。

すると、「それなら『確蔵(かくぞう)』もぜひ飲んでみてください」と勧められました。

確蔵を求めて、重家酒造という蔵元のホームページを眺めていると、ふと気になる名前が目に入りました。

「ちんぐ黒麹」。

かつて読んでいた『美味しんぼ』95巻の「焼酎革命」に出てきたお酒です。

あの漫画で読んでいたお酒も、同じ蔵元とは…。

これは、ぜひ飲んでみたい。

そう思い、せっかくなので、ふるさと納税で「確蔵」と一緒に「ちんぐ黒麹」も取り寄せることにしました。

長崎県壱岐市の返礼品には、確蔵とちんぐ黒麹、そして村主(すぐり)という古酒がセットになっていました。

ちんぐ黒麹とは

ちんぐは、長崎県壱岐市の蔵元「重家酒造」が手がける麦焼酎です。

壱岐は、「麦焼酎発祥の地」とも呼ばれる島。壱岐焼酎は、米麹と大麦をおよそ1対2の割合で仕込むという伝統を受け継いでいます。同じ麦焼酎でも、大分などでよく見かける「麦100%」の焼酎とは造りが異なるそうです。

壱岐焼酎のおもしろさは、水にもありました。

重家酒造が使っているのは、壱岐島の玄武岩層を通った地下水。カルシウムやマグネシウムなどのミネラルを豊富に含んだ仕込み水です。

しかも、この水は島に七つある酒蔵が、それぞれ独自の水源を持っているのだとか。同じ「壱岐焼酎」と呼ばれていても、蔵元ごとに味わいがまったく違う理由のひとつが、水にあると知って、「なるほど」と思いました。

「ちんぐ」という名前は、壱岐の方言で「大親友」という意味。

なんだか、このお酒らしい名前です。

ちんぐには白麹と黒麹の2種類があり、白麹はフルーティーで爽やかに、黒麹は香ばしくコクのある味わいに仕上げられています。

今回いただいたのは、黒麹仕込みの「ちんぐ黒麹」。壱岐産の二条大麦と、長崎県産の六条大麦をブレンドし、常圧蒸留でじっくりと仕上げた一本です。

黒麹ならではの、濃厚でインパクトのある香ばしさが持ち味。麦の香ばしさの奥に、ほんのりとした甘みも感じられます。

ちなみに、『美味しんぼ』に登場していたのは白麹のちんぐでした。

同じお酒ではありませんが、同じ蔵から生まれた姉妹のような存在。漫画で読んだ「ちんぐ」と、今回手に取った「ちんぐ黒麹」がここでつながったのも、ちょっと嬉しい発見でした。

まるさん
まるさん

壱岐という小さな島に、こんなに奥行きのある麦焼酎があるんですね。

飲んでみた感想

『美味しんぼ』の「焼酎革命」で、山岡さんはこんなことを話していました。

常温の水で割ると、味も香りも活性化して、見頃の桜の花のように開く。氷を入れるとつぼみのまま固まり、お湯割りにすると開きすぎてしまう、と。

そこまで聞くと、同じように試してみたくなります。

まずは、ロックで。

初めていただく焼酎は、まずロックから飲むことが多いです。

ちんぐ黒麹も、ロックでじゅうぶんに美味しくいただけました。香ばしさが先に立って、そのあとにコクが追いかけてくるようでした。

続いて、常温の水割りで。

ひと口飲んで、「ああ、こういうことか」と思いました。

香りも味わいも、ふわりと立ち上がるように広がっていきます。「花開く」という表現が、驚くほどぴったりでした。

麦の香ばしさと黒麹らしいコクが、より一層引き立つように感じます。

山岡さんが紹介していた飲み方、たしかに一度試してみたくなる理由がありました。

こんな方へ

  • 壱岐焼酎に興味がある方
  • 麦焼酎の新しい味わい方を知りたい方
  • 『美味しんぼ』が好きな方

購入方法

実店舗

ちんぐ黒麹は、重家酒造の特約店で購入できます。

お近くの取扱店については、重家酒造公式サイトのお問い合わせ窓口で案内してもらえます。

▶ 重家酒造 お問い合わせ窓口
TEL:0920-44-5002

ふるさと納税

重家酒造の公式サイトには「Goods shop」があり、Tシャツや前掛けなどのグッズが購入できます。お酒の取り扱いはありません。

まるさんは今回、長崎県壱岐市のふるさと納税で取り寄せました。

「重家酒造ベストセレクション」という返礼品には、ちんぐ黒麹・確蔵・村主(すぐり)の3本がセットになっています。

楽天ふるさと納税(長崎県壱岐市)「重家酒造ベストセレクション」

価格の目安

  • ちんぐ黒麹(720ml):約1,300〜1,500円(税込・要最新確認)
  • 「重家酒造ベストセレクション」(長崎県壱岐市ふるさと納税):寄付額 21,000円

まるさんの覚書

  • 蔵元:重家酒造(長崎県壱岐市)
  • 種類:麦焼酎「ちんぐ黒麹」
  • 壱岐焼酎:米麹と大麦をおよそ1対2の割合で仕込む伝統製法。
  • 麹:白麹と黒麹の2種類。白麹はフルーティーで爽やか、黒麹は香ばしくコクのある味わい。
  • 今回いただいたもの:黒麹の「ちんぐ黒麹」。
  • 『美味しんぼ』:95巻「焼酎革命」に登場するのは白麹の「ちんぐ」。
  • 飲み方:ロック、常温の水割り。常温の水割りでは、香りと味わいがふわりと広がる。
  • ふるさと納税:長崎県壱岐市では、確蔵・村主(すぐり)とのセットでも取り扱いあり。

あとがき

実は、あらかじめ水で割っておく「前割り」も試してみました。

これがまた、なかなか美味しくて。

お店では前日に仕込んでおくことが難しいので、お出しすることはできませんが、いただく日を少し楽しみに待つ時間も、また味わいのひとつだったように思います。

昔読んでいた『美味しんぼ』に出てきたお酒を、今になって実際に飲んでみる。

そんな小さな楽しみがあった、今夜の一杯でした。

今夜のお話は、このあたりで。

また、ゆっくりお茶でも――それとも、お酒でも飲みにいらしてくださいね。

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