六花亭「チョコマロン」──あの頃は食べられなかった。大人になってわかった、おいしさ。

旅菓子帖

六花亭といえば、マルセイバターサンド。そう思う方が多いかもしれません。でも、その陰にひっそりと、長く愛され続けているお菓子があります。「チョコマロン」です。

ラム酒を効かせた栗餡を、ココアビスケットでそっとはさみ、まわりをミルクチョコレートで縁取った——見た目は控えめですが、味わいは、まぎれもなく大人のためのお菓子です。

この記事では、チョコマロンがどんなお菓子なのか、気になるラム酒の効き具合、おいしい食べ方、買い方まで、実際に食べた感想を交えながらお話しします。子どもの頃にはわからなかったこの味が、いまでは、ふと食べたくなるお菓子になりました。——そんな話も、少しだけ。

📖 本日の案内帖

今夜のおやつは、六花亭「チョコマロン」。
子どもの頃は食べられなかった、ラム酒の効いた大人のお菓子のお話です。

☕ この案内帖でわかること

・チョコマロンって、どんなお菓子?(栗餡・ラム酒・チョコの構成)
・気になるラム酒は、どれくらい効いている?
・夏においしい食べ方(冷やすとチョコがパリッ)

どうぞ、あたたかい飲みもの——今夜は、少し濃いめのコーヒーでも片手に、ゆっくりお付き合いください。

遠くで、港の汽笛がひとつ。少し冷えた夜風が、窓をことりと揺らします。

閉店後の「喫茶と酒処 まるさん」。片づけもひと段落して、三人だけのお茶の時間が静かに始まります。

カウンターに並ぶのは、湯気の立つコーヒーと、チョコレートで縁取られた小さなお菓子。

まるさん
まるさん

今夜のお菓子は、これです。六花亭の『チョコマロン』。

ライト君
ライト君

チョコマロンですか。名前は聞いたことがありますけど、食べるのは初めてです。

ゆきちゃん
ゆきちゃん

私もです。……あ、なんだかいい香り。

まるさん
まるさん

気づきましたか。ラム酒の香りですよ。

ゆきちゃん
ゆきちゃん

ラム酒なんですね。……今は、この香りもいいなって思えるんですけど、子どものころは少し苦手だったんです。

まるさん
まるさん

わかりますよ。私もそうでした。『ひと口食べてみるかい』と勧められても、『いらない』と首を振ってね。今思えば、食わず嫌いでした。

ライト君
ライト君

『大人になったら、おいしさがわかるのかな』って思うこと、ありましたね。

まるさん
まるさん

ええ。そして、いつのまにか、その味がわかる歳になっている。今夜は、そんなお話をしましょうか。

六花亭「チョコマロン」とは?

チョコマロンは、六花亭の焼き菓子のひとつ。ラム酒で味を調えた栗餡を、ココアの入ったビスケットでサンドし、まわりをミルクチョコレートでコーティングしたお菓子です。

栗餡には、手亡豆(てぼうまめ)に、蒸した栗や栗の蜜漬けを合わせています。そこへラム酒がそっと加わることで、ただ甘いだけではない、奥行きのある味わいになります。

このミルクチョコレートのコーティングが、実は手間のかかるところ。味のバランスを崩さないよう、ひとつひとつ手作業で仕上げているそうです。派手さはないけれど、こういう静かな丁寧さが、六花亭らしいところだと思います。

正確な発売年は確認できませんでしたが、長く親しまれてきた定番商品のひとつです。

子どもの頃は食べられなかった。だから今、チョコマロンがおいしい。

子どものころ、私にとってチョコマロンは「大人のお菓子」でした。

「ちょっとお酒が効いてるよ。」

そう聞くだけで、「じゃあ、いらない」と首を振っていました。

ラム酒の香りがどうこうなんて、当時の私にはわかりません。ただ、「お酒の入ったお菓子は大人の食べもの」。そんなふうに思い込んでいて、最初から口にしようともしなかったのです。

それでも、大人たちは本当においしそうに食べていました。少し目を細めながら、「これはいいねぇ」とひと言。あの表情が、なんだか大人だけが知っている秘密のようで、少しだけうらやましく見えました。

——それから、ずいぶん時間が経ちました。

久しぶりにチョコマロンを手に取り、ひと口。

子どものころは遠ざけていたラム酒の香りが、今は栗やチョコレートの味わいを、やさしく引き立ててくれる心地よい香りに感じられます。

ああ、あの頃、大人たちが目を細めていたのは、これだったのか。

そう思った瞬間、遠い日の午後が、ふっと目の前によみがえった気がしました。

大人になって、やっとわかる味がある。

チョコマロンは、そんなことを静かに思い出させてくれるお菓子です。

実際に食べてみた

さて、そんなチョコマロンを、あらためてゆっくり味わってみます。

見た目は、栗餡が主役のように見えます。でも実際に食べると、どれかひとつが前に出るのではなく、栗、ビスケット、チョコレート、そしてラム酒が、静かに重なっていきます。名前のとおり、チョコとマロンが手をつないでいるような、まとまりのある味わいです。

ココアビスケットは、しっとりしていて、スポンジのよう。栗餡とよく馴染みます。チョコレートは手仕事ならではの、多すぎず少なすぎずの絶妙な量で、甘いのにくどさを感じません。小ぶりに見えて栗の風味は豊かで、ひとつでしっかり満足できます。

そして、いちばん印象に残るのが、ラム酒が引き立てる、味わいの奥行きです。

ラム酒は、どれくらい効いている?

「お酒入り」と聞くと、少し身構えてしまう方もいるかもしれません。でも、ラム酒はあくまで名脇役。栗の甘さを引き締め、全体を少し大人っぽくまとめています。ひと口食べたあとに残る、ふっと落ち着いた余韻。その余韻が、このお菓子を「甘いだけ」で終わらせない理由なのだと思います。

とはいえ、香りははっきりと感じられます。お酒が苦手な方や、小さなお子さんには向かないかもしれません。逆に、ラムレーズンや洋酒の効いたお菓子が好きな方なら、きっと「これこれ」とうれしくなるはずです。

おすすめの食べ方

夏場など、室温が25℃を超える日は、チョコレートが溶けやすくなります。そんな日は、冷蔵庫の野菜室でひと休みさせてあげるのがおすすめです。

食べるときは、冷蔵庫から出して5〜10分ほど。

外側のチョコレートはパリッと、中はしっとりやわらかく。ひと口ごとに、ふたつの食感が重なり合い、チョコマロンならではのおいしさを楽しめます。

こんな人・こんな場面に

チョコマロンは、こんな方にこそ味わってほしいお菓子です。

こんな人におすすめ

  • 栗のお菓子が好きな方
  • ラムレーズンなど、洋酒の香りを楽しめる方
  • 甘いだけではない、落ち着いた味わいのお菓子を探している方

こんな場面で

  • 一日の終わり、自分だけの静かな時間に
  • コーヒーや紅茶と一緒に、ゆっくり過ごす夜に
  • 洋酒の香りが好きな方への、ちょっとした贈り物に

知っておきたいこと

  • ラム酒の香りがあるため、お酒が苦手な方や小さなお子さんには向かない場合があります
  • チョコレートのお菓子なので、夏場は溶けやすく、時期によっては冷蔵便で届きます
  • 派手なお菓子ではありませんが、食べ終えたあとに、また手に取りたくなるような奥深い味わいがあります
まるさん
まるさん

にぎやかな席のお菓子、というより……一人の夜に、そっと寄り添ってくれるお菓子でしてね。そんな夜があれば、思い出していただけたらうれしいです。

購入方法(公式通販・ふるさと納税)

チョコマロンは、六花亭の直営店(北海道)のほか、公式オンラインショップでも購入できます。3個入と6個入が用意されているので、「まずは一度味わってみたい」という方にも選びやすいお菓子です。

▶ 六花亭公式オンラインショップはこちら

▶ 楽天ふるさと納税(中札内村・チョコマロン)はこちら

ちなみに、中札内村(なかさつないむら)は六花亭ゆかりの地。美術館「六花の森」があることでも知られています。ゆかりの村のふるさと納税、というのも、なんだか少し粋ですね。

価格・個数(税込):3個入 540円/6個入 1,160円
賞味期限:25℃以下で約10〜11日(お届け後は約1週間)。夏場(4〜10月)は冷蔵便。最新情報は公式サイト・各ふるさと納税サイトでご確認ください。

まるさん
まるさん

北海道まで行かなくても、こうして出会える時代になりました。……夜のコーヒーと一緒に、ゆっくり楽しんでいただけたらうれしいですね。

まるさんの覚書

  • 栗餡・チョコレート・ラム酒が静かに重なる、大人の味わい
  • 甘いだけでは終わらない、ラム酒のやさしい余韻
  • 冷やして少し戻すと、チョコがパリッ。夏でも楽しめる
  • ラム酒の香りがあるので、お酒が苦手な方や小さなお子さんは少し注意
ライト君
ライト君

……思ってたよりずっと食べやすい。ラム酒って、前に出てくるんじゃなくて、栗やチョコのおいしさを、そっと引き立ててくれるんですね。

ゆきちゃん
ゆきちゃん

ほんとうだ。この香りがあるから、甘いだけじゃない、上品な味わいになるんですね。

まるさん
まるさん

ふふ。香りも、ちゃんと意味があるんですよ。その『なるほど』という瞬間が、私は好きでしてね。

カウンターには、空になったお皿と、冷めかけたコーヒー。

子どものころは、遠ざけていた味。それが、いつのまにか「おいしい」と思えるようになっている。きっと誰にでも、そんなお菓子や、そんな味が、ひとつやふたつ、あるのではないでしょうか。

あとがき

大人になると、少しずつ、味の好みが変わっていきます。

苦いコーヒーも、洋酒を使ったお菓子も、渋いお茶も。子どものころは「どこがおいしいんだろう」と思っていたものが、いつのまにか、なくてはならないものになっている。

それはきっと、味覚だけの話ではなくて。いろんな時間や、いろんな出会いを、少しずつ重ねてきた証なのかもしれません。

チョコマロンは、「大人になって好きになったお菓子」の、最初のお話です。ほかにも、大人になってから好きになったお菓子が、まだまだあります。また少しずつ、お話しできたらうれしく思います。

今夜のお話は、このあたりで。

また、ゆっくりお茶でも飲みにいらしてくださいね。

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