カチリ、と入り口の鍵を閉める音が、一日の終わりを告げます。
昼間の賑わいが静かになった店内には、琥珀色のやわらかな灯りが広がっています。
今夜も閉店後のカウンターで、お茶の時間が始まります。
今夜のお菓子は、熊本銘菓「誉の陣太鼓」。
子どもの頃、家の菓子鉢で何度も見かけていたのに、一度も手を伸ばさなかったお菓子です。
大人になった今、ようやくその金色の包み紙を開く夜になりました。
今夜のお菓子は、熊本銘菓「誉の陣太鼓」。
子どもの頃は食べなかったお菓子を、大人になって初めていただきました。
☕ この案内帖でわかること
・誉の陣太鼓とはどんな熊本銘菓?
・初めていただいて感じた味や食感
・紙ナイフでいただく食べ方と購入方法
どうぞ、ゆっくりお付き合いください。

今日は熊本のお菓子ですよ。家の菓子鉢では見かけていたけど、食わず嫌いでね。これまでいただく機会がありませんでした。

子どもの頃から知っていたのに、今日が初めてなんですね。

数十年越しの『はじめまして』ですね。
出会いのきっかけ
近所のスーパーへ買い物に行くと、小さな物産展のような売り場ができていました。
日替わりで各地の名産品が並ぶ、企画コーナーのような一角です。
その日は、熊本のお菓子が並んでいました。
金色の箱が目に入った瞬間、ふっと、子どもの頃の菓子鉢を思い出しました。
我が家の菓子鉢には、いつもいろいろなお菓子が入っていました。
陣太鼓、チロリアン、ひよこまんじゅう。
当時の私は、それがどこの土地のお菓子なのかも知らないまま、今日はどれを食べようかな、と眺めていた記憶があります。
なかでも、金色の包み紙にくるまれた誉の陣太鼓は、ひときわ目を引くお菓子でした。太鼓のような形も、つやのある金色の紙も、子ども心にどこか特別に見えたのを覚えています。
けれど、私はこのお菓子に手を伸ばしませんでした。いつも、隣にある別のお菓子を選んでいたのです。
その日は、引き寄せられるように、その金色の箱を手にしました。
小さな四個入りの箱でした。
誉の陣太鼓とは
誉の陣太鼓は、熊本の「お菓子の香梅」がつくる、熊本を代表する銘菓のひとつです。
実は、「武者がえし」をつくっているお店と同じ「お菓子の香梅」のお菓子です。
以前、この喫茶と酒処でも「武者がえし」を囲んでお茶の時間を過ごしました。よろしければ、そちらものぞいてみてください。
1958年に誕生して以来、長く熊本で親しまれてきました。
「陣太鼓」は、戦場で士気を高めるために打ち鳴らされた太鼓のこと。手柄を立て、栄誉を受ける、その誇らしい気持ちを託して「誉の陣太鼓」と名づけられたそうです。
北海道産の大納言小豆を使った粒あんを、寒天でやさしく固め、その中心にはやわらかな求肥が入っています。
金色の包み紙に包まれた姿も、このお菓子らしい風景のひとつです。
子どもの頃は外から眺めていたその包み紙を、今日は自分で開きます。
いただいてみました。
金色の包み紙にくるまれた陣太鼓を、小箱から取り出します。
ころんと丸い、小さな太鼓のような姿です。
お菓子には、一つずつ紙でできた小さなナイフが添えられていました。
この紙ナイフで、金色の包み紙の上から切り分けていただくのだそうです。

包み紙ごと切っていいそうですよ。
包み紙ごと、切り分けてみます。
断面を見て、少し驚きました。

外側は、小豆餡を寒天でやわらかく形を整えられた、つややかな粒あんです。
金色の包み紙を外しても、ころんとした太鼓の形は崩れません。
よく見ると、粒あんにはほんのり透明感があって、その奥に包まれた白い求肥が、うっすらとのぞいていました。

ナイフで持ち上げると、中心の求肥は、とろんとやわらかく、粒あんの中からゆっくりと伸びました。

求肥が、こんなにやわらかいんですね。
ひと口いただきます。
しっかりとした粒あんの甘さと、やわらかな求肥の食感。
甘さは上品なのですが、ひとついただくと、思っていた以上に食べごたえがあります。
食べながら、最初に思い浮かんだのは、叶匠壽庵の「あも」でした。
そして、正直なことを書いておくと――これは、食べやすいお菓子ではありません。
粒あんと求肥を包み紙の上から切り分けても、いただいているうちに、少しずつ手がベタベタしてきます。
粒あんと求肥の味を、ゆっくり確かめながら思いました。
「ああ、これが母の好きだったおやつの味なんだ」
購入方法
実店舗
誉の陣太鼓は、お菓子の香梅の各店舗のほか、熊本駅・博多駅・熊本空港などで購入できます。
各地で開かれる物産展や、百貨店の催事で見かけることもあります。
まるさんも今回は、近所のスーパーの物産展コーナーで購入しました。
オンラインショップ
誉の陣太鼓は、お菓子の香梅の公式オンラインショップで購入できます。
また、楽天ふるさと納税では返礼品として選ぶこともできます。
JR九州グループの公式通販「JR九州商事オンラインショップ」でも取り扱いがあります。九州のお取り寄せや贈り物として利用しやすいショップです。
▶ 楽天ふるさと納税(熊本県西原村)「お菓子の香梅 誉の陣太鼓」
▶ JR九州商事オンラインショップ(楽天市場)「誉の陣太鼓」
賞味期限
常温で、発送日からおよそ30日です。
価格の目安
- 筒型4個入 886円(まるさん購入時)
- 6個入 1,340円
- 16個入 3,564円
このほかにも、筒型8個入・12個入・20個入・24個入・32個入など、用途に合わせてさまざまなサイズが用意されています。
詳しいサイズや価格は、公式オンラインショップでご確認ください。
※筒型4個入は、まるさんが購入した際の価格です。
※そのほかの価格は、公式オンラインショップ掲載価格です。
※いずれも税込価格です。
まるさんの覚書
- 製造・販売:お菓子の香梅(熊本県熊本市)
- 商品名:誉の陣太鼓(ほまれのじんだいこ)
- 特徴:寒天でやわらかく形を整えた粒あんの中心に、やわらかな求肥。付属の紙ナイフで、包み紙の上から切り分けていただく熊本銘菓。
- 販売期間:通年
- 賞味期限:常温で、発送日からおよそ30日
- 価格:筒型4個入・6個入・16個入ほか、用途に合わせたサイズ展開あり。
- 購入場所
- 実店舗:お菓子の香梅各店舗、熊本駅・博多駅・熊本空港、全国の物産展・百貨店催事
- オンライン:お菓子の香梅公式オンラインショップ、楽天ふるさと納税、JR九州商事オンラインショップ
あとがき
子どもの頃には開かなかった金色の包み紙を、大人になってようやく開くことができました。
今度は母にも、この味を届けてみようと思います。
今夜のお話は、このあたりで。
また、ゆっくりお茶でも――


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