バタどら虎嘯(こしょう)──ふわふわなのに、ぎゅっと詰まったどらやきに出会いました。

旅菓子帖

カチリ、と入り口の鍵を閉める音が、一日の終わりを告げます。

昼間の賑やかさが嘘のように静まり返った店内には、琥珀色の間接照明がやさしく灯っていました。

今夜も閉店後のカウンターに、湯気の立つカップが並びます。

その隣に置かれていたのは、虎柄の焼き色をした、思わず目を引く大きなどらやきでした。

「今日のお菓子は、京らく製あん所の『バタどら虎嘯(こしょう)』です」

📖 本日の案内帖

今夜のお菓子は、京らく製あん所「バタどら虎嘯(こしょう)」。

休日の散策の途中で見つけて、ひとりで味わいました。その美味しさに、「今度は閉店後のお茶の時間に」と思って、あらためて買いに行ったどらやきです。

☕ この案内帖でわかること

・バタどら虎嘯とはどんなお菓子? ― 京らく製あん所のこだわりと名前の由来
・実際に食べてみた感想
・購入方法や価格の目安

どうぞ、ゆっくりお付き合いください。

ゆきちゃん
ゆきちゃん

どらやきの生地が虎柄なんて、珍しいですね。

ライト君
ライト君

手のひらサイズなのに、厚みが結構ありますね。

まるさん
まるさん

先日いただいてみたら美味しかったので、お二人にも食べてもらいたくて。

出会いのきっかけ

きっかけは、休日の何気ない散策でした。

横浜の街を歩きながら、高島屋、ジョイナス、ニュウマン、成城石井、そごう…と、いくつかのお店をのぞいて回っていたのです。

特に目的があったわけではありません。おいしそうなもの、誰かへの贈り物に良さそうなものはないかと、ゆっくり見て歩いていました。

歩いているうちに、ふと思いました。

「そういえば、最近どらやきを食べていないな」

どらやきというお菓子は、シンプルなようでいて、お店ごとにずいぶん違う顔を見せてくれます。

思い返せば、これまでにもいくつかの記憶がありました。

浅草の「亀十」。行列に並んで、ようやく手にできる一品です。手に入れたときの達成感まで含めて、特別な味わいでした。

横浜の「香炉庵」の黒糖どらやき。
元町や横浜で気軽に買える、いわば日常のどらやきです。

そして、横浜の「喜月堂」の栗入り大納言どらやき。
これは、もう25年以上前の記憶です。

今になって、店舗やオンラインショップを探してみても、同じものを見つけることができません。

記憶の中には、たしかに残っている。

けれど、今はどこを探しても見つからない。

まるで、幻だったかのような一枚です。

有名店に並んで手に入れる特別などらやきも好きですが、ふと「食べたいな」と思った時に、気軽に買えるおいしいどらやきというのも、また違った良さがあるように思います。

そんなことを考えながら、せっかくなら、まだ食べたことのないお店のどらやきを試してみたくなりました。

そごうの売り場を歩いていると、虎柄の焼き色をしたどらやきが目に留まりました。

前から気になっていたお店でした。

うさぎやくまなど、可愛らしい「どうぶつのもなか」が並んでいるお店です。

自分でこだわりの自家製あんを詰めていただく最中が印象的で、「いつか食べてみたいな」と思いながら、何度か売り場をのぞいていました。

そんなお店で見つけたのが、「京らく製あん所」の「バタどら虎嘯(こしょう)」でした。

バタどら虎嘯(こしょう)とは

京らく製あん所は、京都の製あん所と、お菓子づくりを手がける会社が共に立ち上げたブランドなのだそうです。

昔ながらの銅釜で直火炊きにした餡にこだわり、「あんこが主役」のお菓子づくりを大切にしていると知りました。

「虎嘯(こしょう)」という名前は、「虎嘯風生(こしょうふうしょう)」という故事成語に由来します。

虎が吠えると風が起こる――優れた人物が時を得て活躍することを表す言葉なのだそうです。

生地には、虎の縞模様を思わせる焼き色がついています。

まるさん
まるさん

お菓子の名前や、その由来を知ると、ひとつのお菓子がまた違って見えてきますね。そういうことを知るのも、食べる楽しみのひとつなのかもしれません。

「虎嘯」には、あんこだけを挟んだどらやきもあります。今回いただいたのは、そこにバタークリームを合わせた「バタどら虎嘯」。

国産バターとイタリアンメレンゲをホイップし、香りのよいチェダーチーズをアクセントに加えたバタークリームを、粒あんとともに挟んでいます。

まるさん
まるさん

イタリアンメレンゲって、熱い砂糖シロップで卵白に火を入れながら泡立てるメレンゲなんです。ふわっと軽いのに、泡がへたりにくいんですよ。

手に取ってみると、どらやきは思ったより厚みがあって、しっかりとした存在感があります。

どこから食べても、ひと口目からあんことバタークリームに出会えるように仕立てられているのだそうです。

まずは、ひとりで味わってみました

休日の夜、ひとりでゆっくり味わってみることにしました。

まず手に取って驚いたのは、見た目と実際の食感の違いです。

見た目はふわふわとやわらかそうなのに、持ってみると、ぎゅっと詰まっている感じがします。生地の断面には少し大きめの気泡が入っていて、どこか昔のホットケーキのような、少し無骨な表情をしていました。

口にすると、しっとりしたどらやきとは少し違います。あんこに近い部分は水分が控えめで、外側へいくほどふわっとやわらかい。その食感の違いも、このどらやきのおもしろさでした。

最初は少し意外に思ったのですが、食べ進めるうちに「この生地だからこそ、粒あんやバタークリームが引き立つんだ」と気づきました。

バタークリームは、しっかりとした塩気があり、それでいて驚くほどやわらかい。ホイップされたような、ふわっと軽い口当たりです。

あんこは粒あん。

粒がしっかり感じられるのに、甘さはとても上品で、小豆そのものの味を楽しめます。

どらやきの生地、あんこ、バタークリーム、そしてもう一枚の生地。

バタどら虎嘯の断面。生地とあんこ、バタークリームの層

ひと口の中で、それぞれの味と食感が重なって、思っていた以上にまとまりのある味わいでした。

淹れたのは、深煎りのブラックコーヒー。

食べ終える頃には、もう決めていました。

「これは、閉店後のお茶うけにしましょう」

三人で分け合う時間

それから数日後。

あの日のお菓子を、今度は三つ買ってきました。

ライト君
ライト君

あ、バターの塩気が絶妙ですね。

ゆきちゃん
ゆきちゃん

あんこは、粒がしっかり感じられて、甘さもとっても上品ですね。
あんバターのお菓子やパンは、ほかにも食べたことがありますけど、このバタークリームは、ふわっとしていて、ちょっと今までと違う感じがします。

ライト君
ライト君

生地もふわふわなのに、ぎゅっと詰まってる感じがして、不思議です。

まるさん
まるさん

ひとりで食べた時も、そこに驚いたんですよ。

一枚のどらやきを囲んで、それぞれが違うところに目を向けながら味わう。

そんな時間も、なんだか嬉しいものでした。

購入方法

店舗

京らく製あん所は、京都店、うめだ阪急店、横浜そごう店などで購入できます。

まるさんも今回は、そごう横浜店の売り場で、単品を購入しました。

催事出店で、他の百貨店に登場することもあるようです。

オンラインショップ

京らく製あん所の公式オンラインショップでも購入できます。

4個入・6個入・8個入・12個入と、セットでの取り扱いです。

京らく製あん所 公式オンラインショップ

生菓子のため消費期限が短く、出荷日から3日間(5〜10月お届け分)、4日間(11〜4月お届け分)となっています。

クール便でのお届けで、お届け日の指定も必要です。お取り寄せの際は、事前に確認しておくと安心です。

価格の目安

  • 店舗での単品購入:1個410円(税込)※まるさんが購入した際の価格です
  • オンラインショップ:4個入 2,128円/6個入 3,002円/8個入 3,823円/12個入 5,573円(いずれも税込)
  • 送料:880円(北海道・沖縄は1,430円)
  • 商品代金5,400円以上で送料無料

まるさんの覚書

  • 製造・販売:京らく製あん所(京都)
  • 商品名:バタどら虎嘯(こしょう)
  • 名前の由来:「虎嘯風生」(虎が吠えると風が起こる、優れた人物が時を得て活躍する、の意)
  • 生地の特徴:虎の模様を思わせる焼き色。見た目はふわふわ、持つとぎゅっと詰まったような食感
  • あんこ:粒あん。粒がしっかり感じられ、甘さは上品
  • バタークリーム:国産バターとイタリアンメレンゲを使用。チェダーチーズをアクセントに加え、ふわっと軽い口当たり
  • アレルギー表示:卵・小麦・乳成分(一部に含む。購入時に最新表示を確認)
  • 消費期限:出荷日から3〜4日間(季節により変動)。短めなので、購入・お取り寄せの際は要確認
  • 店舗価格:1個410円(税込)※まるさんが購入した際の価格
  • オンライン:4個入・6個入・8個入・12個入
ゆきちゃん
ゆきちゃん

今日のどらやきも、とっても美味しかったです。

ライト君
ライト君

こんなどらやき、初めて食べました。僕も、誰かにおすすめしたくなりました。

まるさん
まるさん

ふふ。お二人にも食べてもらえて、喜んでもらえたなら、よかったです。

あとがき

ひとりで食べても、十分に美味しい一枚でした。

それでも、もう一度買いに行きたくなったのは、自分がおいしいと思ったものを、誰かにも食べてもらいたくなったからかもしれません。

散策の途中でふと出会った一枚が、こうして誰かと分け合う時間につながる。それもまた、小さな楽しみのひとつなのだと思います。

今夜のお話は、このあたりで。

また、ゆっくりお茶でも――それとも、どらやきでも召し上がりにいらしてくださいね。

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