カチリ、と入り口の鍵を閉める音が、一日の終わりを告げます。
昼間の賑わいが静かになった店内には、琥珀色のやわらかな灯りが広がっています。
今夜も閉店後のカウンターで、お茶の時間が始まります。
まるさんとライト君がお茶の準備をしていると、ゆきちゃんが小さな紙袋を取り出しました。
「今日は、お二人と一緒に食べようと思って、お土産があるんです」

それは楽しみですね

金沢で見つけたんです。実演販売も見てきたんですよ
今夜は、金沢の和菓子店・板屋の銘菓「こもかぶり」。
ゆきちゃんが旅先で味わった焼き立てと、閉店後に3人で楽しむお土産のお話です。
☕ この案内帖でわかること
・金沢の和菓子店・板屋と「こもかぶり」
・実演販売でいただく、焼き立てならではの味
・お土産の真空パックを、閉店後の店でいただいてみました
どうぞ、ゆっくりお付き合いください。
金沢で出会った「こもかぶり」
金沢旅行を前に、ゆきちゃんは、金沢の歴史や文化について調べていたそうです。
「加賀百万石と呼ばれるようになったのは、どうしてだろう」
「前田家は、どんな歴史を歩んできたんだろう」
そんな疑問から、金沢で育まれてきた芸術や工芸、そして和菓子の文化にも興味を持つようになったのだとか。
前田家が幕府との関係を保ちながら藩を存続させ、その一方で文化や工芸を積極的に振興してきたことも、金沢の文化が育まれてきた背景のひとつだったようです。
そうして、Instagramで目に留まったのが、板屋の「こもかぶり」でした。
実演販売をしていることを知り、「せっかくなら、実際に作っているところを見てみたい。それに、焼き立てを食べてみたい」と、実演の時間を調べて本店を訪れたのだそうです。
板屋は、石川県金沢市の和菓子店です。1946年(昭和21年)創業で、本店は尾山町にあり、金沢駅ビル(金沢百番街あんと)にも店を構えています。「金沢の味風土菓」を掲げ、加賀藩前田家の家紋「剣梅鉢」を商標にしています。
看板銘菓の「こもかぶり」は、蜜漬けにした大粒の栗を、北海道産小豆の粒あんと特製の薄皮で包んだ焼き菓子。複雑な形をしているため、ひとつひとつ職人の手作業で焼き上げられています。
実演販売でいただいた、焼き立ての味
本店では、職人さんがこもかぶりを焼いているところを見ることができました。
鉄板の前に立つ職人さんは、気さくで話しやすい雰囲気の方でした。焼いた生地に、粒あんで包んだ栗をのせ、長く伸びた生地をクロスさせて巻き付けていく――そんな手元を見せてもらいながら、いろいろと説明もしてくれたのだそうです。
焼き立てをひとつ、その場でいただいたゆきちゃん。
外側の生地は、パリッ、サクッとした軽い歯ざわり。鉄板の上で少し焼かれた海苔からも、香ばしさが感じられたといいます。
中には、北海道産小豆の粒あんと、大きな栗の蜜漬け。あんこも栗もほんのり温かく、生地との組み合わせも含めて、焼き立てならではの味わい。
「わあ。焼き立てって、こんな食感なんですね。おいしいです」
そう話すゆきちゃんに、職人さんはもうひとつ、教えてくれたことがあったそうです。
焼き立てとは、違う食感
職人さんが教えてくれたのは、焼き立てと、焼いてから時間をおいたものでは、食感が違うということでした。
焼き立ては、パリッ、サクッとした軽い歯ざわり。
一方、時間がたつと皮とあんこが馴染んで、しっとりと、どら焼きのような食感に。
店頭の「本日焼いた生タイプ」の札には、「焼いてから少し寝かせて皮とあんこが馴染んだ一番オススメの状態」と書かれていました。消費期限は、焼いた日の翌々日までです。
今回、ゆきちゃんがお土産に選んだのは、賞味期限が製造から30日の、持ち帰り用の真空パック。
焼き立てがとてもおいしかったので、閉店後にみんなで食べようと、お土産に買って帰ることにしたのだそうです。
いただいてみました。
閉店後の店で、ゆきちゃんが金沢のお土産に選んだ「こもかぶり」を、3人でいただくことにしました。
紙袋から取り出されたのは、個包装された「こもかぶり」。

真空パックのこもかぶりをいただくのは、3人とも今夜が初めてです。
まず目を引くのは、こも掛けを思わせる特徴的な形。小さな俵に、紐を結んだような姿です。

この形は、金沢・長町武家屋敷などで見られる冬の風物詩「こも掛け」を表現したもの。雪から土塀を守るために掛けられる「こも」に、その姿を重ねて「こもかぶり」と名付けられたのだそうです。
そして中には、粒あんに包まれた大きな栗がひとつ。


生地がしっとりしていますね

栗のほっくりした感じが、よく分かりますね
たしかにどら焼きのような食感です。粒あんは栗の甘露煮よりも控えめな甘さで、生地の甘さともよく合っています。
そして、もうひとつ印象に残ったのが、小さな海苔。

おまんじゅうに海苔って、不思議な感じがしますね

でも、これがなかなかいいアクセントになっていますね
小さな海苔の風味が加わることで、甘い生地と粒あん、栗だけではない味わいになります。
シンプルなお菓子に見えて、生地、粒あん、栗、それぞれがおいしい。そこに海苔が加わって、こもかぶりならではの味になっているように感じました。

焼き立てのときとは、また違ったおいしさですね
しっとりと馴染んだ「こもかぶり」。今夜は3人で、その味わいをゆっくり楽しみました。
購入方法
実店舗
「こもかぶり」は、板屋本店(石川県金沢市尾山町)と、金沢百番街あんと店で購入できます。
オンラインショップ
板屋の公式オンラインショップでも購入できます。
賞味期限・消費期限
真空パックは、製造から30日です。直射日光と高温多湿を避けて、常温で保存します。
店頭の「本日焼いた生タイプ」は、消費期限が焼いた日の翌々日までです。
価格の目安
- 1個 378円(税込)
- 20個入 7,971円(税込)
このほかにも、6個入・8個入・12個入・16個入などがあります。
詳しいサイズや価格は、公式オンラインショップでご確認ください。
※価格は2026年9月確認時点のものです。変更される場合があります。
まるさんの覚書
- 製造・販売:板屋(石川県金沢市)
- 商品名:こもかぶり
- 特徴:蜜漬けの栗を、北海道産小豆の粒あんと特製の薄皮で包んだ焼き菓子。複雑な形のため、ひとつひとつ職人の手作業で焼き上げられています。
- アレルギー表示:小麦・卵・ごま・大豆(購入時に最新表示をご確認ください)
- 賞味期限・消費期限:真空パックは製造から30日。店頭の「本日焼いた生タイプ」は消費期限が焼いた日の翌々日まで
- 注意:はちみつを使用しているため、1歳未満のお子様には食べさせないでください
- 購入場所
- 実店舗:板屋本店(金沢市尾山町)、金沢百番街あんと店
- オンライン:板屋公式オンラインショップ
あとがき
旅先で出会ったものを、帰ってから誰かと分かち合う。
ゆきちゃんの旅の思い出といっしょに、あたたかなひとときを過ごすことができました。
いつか私も金沢を訪れたときには、職人さんの手元を眺めながら、焼き立てをいただいてみたいものです。
今夜のお話は、このあたりで。
また、ゆっくりお茶でも――


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