村中甘泉堂の羽二重餅──子どもの頃の思い出をたどりながら、福井銘菓をいただきました

旅菓子帖

カチリ、と入り口の鍵を閉める音が、一日の終わりを告げます。

昼間の賑わいが静かになった店内には、琥珀色のやわらかな灯りが広がっています。

今夜も閉店後のカウンターで、お茶の時間が始まります。

今日のお菓子は、福井銘菓・村中甘泉堂の「羽二重餅」。

近所のスーパーで出会った、懐かしい名前のお菓子です。

📖 本日の案内帖

今夜は、福井銘菓・村中甘泉堂の「羽二重餅」。

子どもの頃に大好きだった羽二重餅の思い出と、今回はじめていただいた福井の羽二重餅のお話です。

☕ この案内帖でわかること

・子どもの頃、回るお菓子売り場で選んでいた羽二重餅の思い出
・村中甘泉堂の羽二重餅をいただいた感想
・羽二重餅の由来と、購入方法・日持ち

どうぞ、ゆっくりお付き合いください。

回るお菓子売り場で、おやつを買ってもらった日

子どもの頃、デパートで買い物をした記憶があります。

帰省のおみやげは、決まって六花亭のお菓子でした。それを買った帰りに、母はデパートの回るお菓子売り場で、帰省の途中に食べるおやつを買ってくれました。

デパートは、子どもの頃の私にとって、特別な買い物をする場所でした。

なかでも、回るお菓子売り場は、近所の商店街では出会えない、まるで夢のような場所。色とりどりのお菓子がゆっくりと回る様子を眺めながら、どれにしようかと選ぶ時間が、たまらなく楽しかったのを覚えています。

※記憶をもとに作成した、イメージのイラストです

母からは「おやつは何グラムまでね」と言われていました。当時の私に分かっていたのは、秤の目盛りが決められたところまでならいい、ということくらい。量り売りの仕組みまでは、よく分かっていませんでした。

今では、あの頃のような回るお菓子売り場を見かける機会も少なくなりました。わくわくしながらお菓子を選んだ、あの特別な場所。思い返すと、少し寂しい気持ちになります。

いつも選んでいた、紅白の羽二重餅

そんな売り場で、私がいつも選んでいたのは、紅白ふたつ入りの羽二重餅でした。

ひとつの包みに、ピンク色の餅と白い餅が1個ずつ。

名前は、母が「はぶたえもち」と呼ぶのを聞いて覚えました。

羽二重餅を選ぶと、決められたおやつの分は、それでいっぱいになってしまいます。それでも、ほかのお菓子はいらないと思うほど好きでした。

食べるときは、いつも白い餅から。ピンク色の餅は、なんだか特別な気がして、最後までとっておく。

お正月のお餅よりやわらかく、ほんのりと甘くて、にゅーっとよく伸びる。そんな素朴な味わいが気に入っていました。

大人になった今も、白玉や求肥など、やわらかい餅菓子が好きです。好きなものを最後にとっておくところも、子どもの頃から変わっていないようです。

羽二重餅は、今も好きなお菓子のひとつ。けれど、自分から買って食べる機会は、なかなかありませんでした。

スーパーの物産コーナーで見つけた「はぶたえもち」

先日、近所のスーパーの物産イベントコーナーに、各地の銘菓が並んでいました。

そこで目に留まったのが、「はぶたえもち」という文字でした。耳で覚えていた名前を、字で見た瞬間、子どもの頃の記憶がよみがえります。

「そういえば、好きだったなあ」

羽二重餅が福井の銘菓であることは知っていましたが、福井のものをいただくのは初めてです。

並んでいたのは、村中甘泉堂の羽二重餅。せっかくの機会なので、買って帰ることにしました。

福井銘菓・羽二重餅のこと

羽二重餅は、福井の名産だった絹織物「羽二重織」にちなんで生まれた銘菓です。絹のような、きめ細かくなめらかな風合いを餅で表現したといわれています。

村中甘泉堂は、明治43年(1910年)創業の福井市の和菓子店です。公式サイトによると、羽二重餅には福井県産の餅米を使用し、切り分けた餅を二枚重ねにして、奉書折りで包んでいるそうです。

箱に書かれた店主のご挨拶には、大野市・勝山市・池田町産の餅米を丁寧に搗き、今の時代に合わせた上品な甘さに仕上げたとありました。

村中甘泉堂の羽二重餅をいただきました

閉店後のカウンターに、村中甘泉堂の箱を置きました。

箱の中には、白い紙の包みが4つ。包みには、筆文字の「羽二重餅」と、赤い糸のような線の模様が入っています。

青い八角皿にのせた、村中甘泉堂の羽二重餅の個包装

包みを開くと、粉をまとった餅が二枚重なって入っていました。1包に2枚入りです。

包みを開いた羽二重餅(粉をまとった二枚重ね)

ひと口いただくと、餅はきめが細かく、表面の粉はサラサラ。ほんのりとした上品な味わいです。

ライト君
ライト君

おぉ、すごくよく伸びますね!

ゆきちゃん
ゆきちゃん

優しい甘さで、口当たりもなめらかですね

箱に書かれたご挨拶には、「絹のようにやわらかく、軽やかな口どけ」とありました。実際にいただいてみると、まさにそのとおり。薄くやわらかな餅は、驚くほどよく伸びました。

まるさん
まるさん

……やっぱり、懐かしいですね

子どもの頃に食べた羽二重餅の印象は「素朴」。今回いただいたものは「きめ細かくて、上品」。印象は少し違いますが、やわらかく、よく伸びるところには、昔の記憶との重なりを感じました。

購入方法

実店舗

村中甘泉堂の本店と、くるふ福井駅店で購入できます。

  • 本店 9:00〜18:30(定休日:火曜日、第2・第4水曜日)
  • くるふ福井駅店 8:30〜20:00

まるさんは今回、近所のスーパーの物産イベントコーナーで購入しました。

▶ 村中甘泉堂 公式サイト(店舗のご案内)

オンラインショップ

公式オンラインショップでも購入できます。

▶ 村中甘泉堂 公式オンラインショップ「羽二重餅」

日持ち・保存方法

真空パックの消費期限は、公式オンラインショップでは40日と表示されています。保存は常温が基本で、冷蔵すると餅が硬くなりやすいため、長時間冷やすのは避けたほうがよいそうです。

まるさん
まるさん

箱には、食べる前に二、三時間ほど冷やしても美味しいと書いてありました。試してみるのもよさそうですね

価格の目安

  • 真空パック・2枚入4包 432円(税込)

このほかにも、包数の異なるサイズがあります。詳しいサイズや価格は、公式オンラインショップでご確認ください。

※価格は2026年10月確認時点のものです。変更される場合があります。

まるさんの覚書

  • 製造・販売:村中甘泉堂(福井県福井市)
  • 商品名:羽二重餅
  • 特徴:福井県産の餅米を使った餅を二枚重ねにし、奉書折りで包んだ福井銘菓
  • 内容量:1包25g(2枚重ね)
  • 原材料:砂糖、餅粉、水飴、澱粉、甘味料(トレハロース)、乳化剤(乳由来)、酵素
  • 栄養成分:1包(25g)あたり78kcal(推定値)
  • 消費期限:真空パックは40日(公式オンラインショップ表示)
  • 保存方法:常温保存
  • 購入場所:村中甘泉堂 本店、くるふ福井駅店、公式オンラインショップ

あとがき

子どもの頃に大好きだったお菓子と、大人になって出会った、村中甘泉堂の羽二重餅。

「はぶたえもち」という名前をきっかけに、遠い記憶がよみがえりました。

みなさんにも、名前を聞くだけで、ふっと思い出すお菓子はありますか。

今夜のお話は、このあたりで。

また、ゆっくりお茶でも――

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